27歳が23歳に遠慮する夜

A子(23歳・婚活中)が宣言した。
良質な開き直りだ。
1歳と5歳は全然違うが、
81歳と85歳は大して変わらん。
『合コンってもう世の中から
なくなったと思ったけど、
地上には存在していたのか・・・』
周りに勢いある人間が多いと
自然と引っ張られる・・・その逆も然り。
環境の大事さをあらためて感じる。
これから結婚式を迎える女性が
挙式に向けてのあれこれを
詳細に綴っているブログを見つけた。
写真だけで5分ほどで決めた。
担当者もびっくりの適当さよ。
さらに若くて細い、
芸能人のようなルックス。
性格は人懐っこくて、
男女問わず人気者。
出会う男、出会う男が
彼女の虜となった。
会う度に新しい恋が始まっている。
そんな最強の美女を交えて、
グループでご飯を食べていたときのこと・・・。
『この後、彼が迎えに来るみたい~♪』
美女A子の携帯に、
彼氏から迎えに行くと連絡がきた。
さすがだ・・・。
女子会の帰りにまで 迎えが来るとは。
すごい-!愛されているー!
皆でワイワイしていると・・・。
店の外から背の高いイケメンが
ガラス越しにこちらを覗いている。
なんとA子の彼氏が現れた、
まだまだ会の途中であるのに。
しかも驚いたことに、
彼氏に店の場所は伝えていないと・・・。
『六本木で飲んでいる』
と言っただけ。
彼は勘だけを頼りに、
街中を探し回ったらしい。
どうやって、
この店に辿り着いたのか・・・魔法!
恐るべし、愛の執念・・・。
A子はそのまま、
彼氏と帰っていった・・・。(のちに結婚)
絵になる二人を見送ったあと、
『すごい!!さすがだ!』
『店の場所まで嗅ぎつける嗅覚!』
残ったメンバーは大興奮。
・・・すると、
唯一驚いていなかったB子が口を開いた。
『実は私も、男を待たせているの♡』
ここにもいたか・・・!
なんと女子会が始まってから、
車でじっと待機しているんだそうな。
酔った彼女を家まで送る係として。
治安のいいTOKYOでも、
常に守られる存在たち・・・。
誰も迎えに来ない我々は、
自力で帰路についたのである。
・・・大丈夫、
大人だから1人で帰れる!!
【関連記事】
そこらのアイドルよりも
顔が可愛い友人A子。
さらに20代前半というオマケ付き。
最強の組み合わせが引き起こす、
化学反応に度肝抜かされたことがある。
A子を誘ってバーベキューに
参加した時のこと・・・。
バスを貸し切って大人数で移動。
車内で自己紹介が行われた。
彼女が立ち上がった瞬間、
男たちが一斉にザワつきだした。
『か・・・可愛い・・・!!』
心の声がダダ漏れに。
『よく連れてきた!でかした!
何で今まで、あんな上玉を隠していたんだ!』
幹事の男性からは、
褒められて怒られた。
A子は誰とでもすぐに打ち解ける
気さくさも持っていた。
こりゃ取り合いが起こるだろうな。
・・・ところがだ、
あからさまな戦いが起こらない。
とんだ勘違い!
私が浅はかであった。
男たちは暗黙の了解にて、
見えない行列を作っていたのだ。
美女とじっくり話がしたいので、
全員で一気に囲むことはしない。
ちょっと引いた場所から見ると、
次の男が待っているのがわかった。
お前が終わったら次は俺な(心の声)、
とばかりに順番を守っている。
生まれて初めて見た、エア行列。
日本人ならではの奥ゆかしさ・・・。
多くの男に連絡先を聞かれたA子、
彼らはちゃっかりと動いていた。
さて帰り道のこと、
彼女とサービスエリアに下りた。
すると男性が、
自販機の前でA子に声をかけてきた。
『何か買ってあげようか?』
偶然を装っていたが、
明らかに彼女の動きを見ていた。
美女が歩くと、男が動く。
関係ない私まで一緒に買ってもらい、
どさくさ恩恵を受けた。
『肉まん食べたいね!』
A子が私に向かって話しかけた。
『あ、俺が買ってあげるよ!』
なんと、先ほどとは別の彼が
どこからともなく飛び出てきた。
お前はどこで待機していたんだー!
完全に気を消していた。
通行人に扮して、
周りをうろついていた模様。
ここでも、
見えない行列が美女を囲んでいたか・・・。
彼女がバスを降りた時から、
勝負は始まっていたのだな。
アレが欲しい、コレが食べたい。
欲望を口にするだけで、
喜んで動いてくれるなんて。
私は異次元の出来事に感動したが、
彼女にとっては日常茶飯事のようで、
平然としていた。
来世も女に生まれたところで、
エア行列など作る自信はない。
何ちゃら彗星のように
数十年に一度見える光景である。
若い美人はお得!
という単純な話ではなかった。
愛想の良さとコミュ力も携え、
全項目で最高得点を叩き出した結果である。
そんな彼女の引退は潔く
この後すぐに結婚、
現在二児の母となっている。
人気絶頂で婚活界を去る・・・
(というか婚活していない)
やってみたかった。
雑誌の記事でこんなのを見つけた。
『年齢を言い訳にする女性はもったいないね。
諦めたら、全て終わりでしょ?』
・・・とはいえ、
婚活界での年齢は恐ろしい。
医学的には元気で若くとも
数年前とは勝手が違ってくる。
深夜まで飲んでも平気であったのに、
回復に時間を要するようになり
時の流れを感じてしまう。
年齢を知った途端に、
態度が変わる男たち。
20代を連れてきて!と、
最初から除外されることもある。
自分は何も変わっていないのに、
少しずつ周りが変わっていく・・・。
結婚相談所に入会した友人が
このように言っていた。
『24歳が最高値、27歳までは売り時。
28歳で男性と同等、
29歳以降は選ばれる努力が必要』
これが肌で感じた
お見合いの感覚なのだそうだ。
その昔、ドラマで松嶋菜々子さんが
『27歳は女の最高値よ!』と仰った。
婚活界の現実を見ている。
そんなこんなで
コテンパンになった夜は
歳のせいにしたいこともあるさ。
・・ところが、
『私、もう歳だから婚活するのが怖い!』
このようになってくると話は別だ。
結婚したいと希望するも動きゼロ、
棚ボタ待ちに入った。
動きたくない=傷つきたくない
家に引きこもっていては安全だが
1分、1分と、死に向かっている。
怖くないのだろうか・・・。
時だけが流れていくほうが、
傷つくことよりも恐怖!
年齢が気になるなら
逆に中年の図々しさを発揮し、
グイグイ攻め込むも手。
乙女作戦で立ち向かおうとするから
歳が気になるのかもしれぬ。
残された時間が
少なくなった者にしか出せない
特殊な力が必ずある。