住宅街の中心で男への怒りを叫ぶ

しらばっくれる彼。
暴力を振るわれました!』
この話を聞いてB子(アラフォー)は、
温め可能な者もいる。
数倍のパワーを生む。
最後は私の元に戻ってくるんだから♪』
ここまでのスケールまでいかずとも、
結婚は決まる。
まずは味噌汁作りからだ。
感じのいい新入社員・A男がいた。
彼は誰に対しても
平等に挨拶をした。
廊下ですれ違うときも
しっかり目を見て、
『お疲れ様ですっ!』
と元気いっぱいに。
ワンフロアに数百人は在籍しており、
自分の周り以外は
名前も顔も知らない人・・・
もたくさんいた。
挨拶などしない人間も多く、
すれ違うときは無言は当たり前。
お互いに誰かもわからない。
そんな状況化であったので、
A男は目立ちに目立った。
『あの挨拶してくれる男の子だけど・・・』
全く接点のない女性たちからも、
抜群の知名度を誇った。
『よく見たら、可愛い顔してるよねー!』
・・・逆だ。
よく見たら普通なのだが、
ルックスが印象操作されている。
気難しいおじさん社員も
A男の手にかかれば、
おじさんの方から声をかけるまでに
関係性が発展していた。
他にも厄介な猛獣を次々と手懐け、
うまく世渡りを始めたのだ。
見た目も真面目な青年だし、
きっと誠実な男なんだろうな・・・。
『は?あいつ、クソほどチャラ男っすよ?』
な、何ですとーっ!?
『あいつだけには(チャラさが)敵わない!』
と、こいつに言われたら終わり
レベルの同僚から認められた。
・・・人は見た目によらぬ。
どうやら社内の女子にも
手を出しまくっているとのこと。
が、挨拶の魔法により
憎めない奴の座をキープ。
出世コースに乗っかったように見えた。
思えばコスパのよい投資である、
声を出すだけ・・・無料!
友人C子は新入社員時代に
自分のことを無視する嫌なお局がいた。
C子が挨拶しても、
無言、気付かないフリをされる。
そんなことはお構いなしに
お局の目の前に回り込んで、
『⚫️⚫️さん、おはようございます!』
こいつ、しつこい!
くらいに繰り返し、
いつの間にかお局と仲良しに・・・。
あなどれない
挨拶パワーである。
雑に行っていては勿体ないな。
婚活時代の職場こそ、
挨拶を習慣にしておけばよかったー!
ただ歩くだけで知り合いは増え、
その効果は抜群なのである。
ーーーーーーー
余談ですが、
ある幼稚園のママさんに
会うたびに挨拶していたら、
恐ろしいことに気付いたんです・・・。
全然、知らん人に
挨拶し続けていたことをー!!
思えば違和感はあった・・・
こんなに美人だったっけ?と。
まぁ、女は顔変わるしな〜なんて
前向きな勘違いしてましたよ。
人違いだと気付いた頃には
あちらから挨拶してくれるようになり^^;
いつの間にか知り合いに。
気になるのは元のママさんの
顔を完全に忘れたこと。
どこに消えたんだ・・・。
いつ入れ替わったんだ?
ま、ええか!
挨拶を続けたら
他人でも知り合いになるという実験を
無意識でやってました。効果アリ。
友人A子が電撃結婚した。
彼女の結婚式二次会のことである・・・。
会場に着くと、第一のビックリ。
坊主の男がタバコをくわえながら
薄汚れた格好で近寄ってきた。
『写真撮った?』
ガラの悪い彼は、
いきなり意味不明な事を口走った。
どうやら新郎新婦への
メッセージを書くために
写真を撮ってくれと言いたいようだ。
どこのチンピラかと思ったが、
受付を任された男のようだ。
いくらなんでも
その風貌はマズかろうに。
会場に入って二度目のビックリ、
同じようなチンピラが会場中にいた。
リーゼント風の髪型あり、
ヤンキー風の衣装あり、
ガラの悪い雰囲気である。
『受付の男と系統が同じだ・・・』
『新郎の職業は知らないが、
銀行員ではないのは確実ね・・・』
何とも複雑な気持ちで
新郎新婦を迎えた。
チンピラたちは酒をこぼして
女性側に垂れ流しているのに、
ぼけーーっと突っ立っていた。
金のネックレスをつける前に、
気遣いを身に着けてくれよ・・・。
さてゲームが始まり、
商品が沢山出てきた。
気を取り直して、
何かを当ててやろう・・・!
『は~い、おめでとうございます。
商品は、TENGAです!』
男性は一瞬笑い、女はシーン。
まさかと思ったが、
アダルトグッズの登場か。
それにしても、
この手の商品はスベるから危険だ。
司会者に相当な話術があれば、
笑いに持っていけるが・・・!!
残念ながら先ほどの
気が利かないチンピラが進行している。
もはや無理だ・・・!!
次の当選者が決まった。
『は~い、バイブで~す』
男性は乾いた笑い、
女性は更にシーン。
何とも微妙な空気が漂っているのである。
こんな状態が続き、
商品は40くらいあったのだが
20以上はアダルトグッズだった。
最後のほうは男性すら
笑うことがなかったが、
司会者は全く
気にすることなく進めている。
彼が商品を買いに行ったことは、
先ほど本人より発表があった。
一体、何を思って
こんなラインナップにしたのだろう・・・。
これが新郎を祝いたい気持ちなのか。
司会者の表情からは、
『ヤベぇ、失敗したかな・・・』
なんて気持ちは感じらず、
嬉々として進行しているではないか。
・・・この空気、
どうしてくれよう!!
『もし私が新婦だったら、この状況、死ぬかも・・・!』
『確かに!友達に申し訳なくて、恥ずかしい!!!』
ゲームも終わり、
新婦が凹んでいないか不安になった。
我々は彼女の傍に近寄った。
そこで新婦、一言。
『ほんと、今日は楽しい~♪
このドレスも着られたしね~』
まるで、気にしていなかった!!
・・・忘れていた!
彼女こそハイレベル天然女だった。
今日に関しては本当によかった・・・。
彼女に恥をかかせたくない。
関心を示したのは、
この冷え切った空気よりも自分のドレスだ。
ここまで突き抜けてこそ、
真正天然となれる。
ちなみに私はこの日、
ボディショップのクリームを当て、
友人はPSPを当てた。
貴重なマトモ商品2枠だ。