あれは30代になった頃・・・、


『残念!10歳若かったらタイプだったなー!』
 と中年男性に言われた。


10歳・・・!


自分ではまだまだ
現役だと思っていたのに、
随分と遠くまできたものだ。


今思えば十分に若いのだが、
過敏な頃だったのであろう・・・。


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鼻水を垂らしながら歩いていると、
ティッシュ配りを発見
・・・欲しい!! くれ。


彼はリズミカルに
ぽん、ぽん、ぽん♪と
通行人に配っている。


あともう少しで鼻がかめるぞ、
彼に近づいてきた。


あと二人、あと一人、そして私!
彼はティッシュを差し出し・・・
 
 
私の顔を見て、
途中で手を引っ込めた。
すごい速さであった。


こちらは貰う気
満々だったので
ちょっと手が出かかっていた。


 私も、
素早く手を引っ込めた。


どうしたものかと思っていると、
前の女性の手元が見えた。


『メイド喫茶キャスト募集♡』


・・・なるほど。
対象外にはくれないのだな。
 

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ある思い出が蘇った。


学生の頃、
テレクラのティッシュ配りの
バイトをしたことがある。


雇用主からは、
『絶対に!!若い女性だけに配って下さい!』
何度も念を押された。



・・・ところが、
誰も貰ってくれないのだ。


 
殆どの人にシカトされた。
必ず貰う派の私には衝撃的だった。


あまりに冷遇されてイラついたのか
ティッシュを道に
投げつけては踏みつけるという
暴挙に出たバイトもいた。


こらこら、
商品を大事にせんかい!
下っ端の私に言えるはずもなかった。 


日用品のティッシュ様ですら、
このザマだ。


チラシなんて誰も
貰ってくれないだろう。


ティッシュが減らない
=仕事をしていない!
 

これはマズい。


規約を破り、
中年女性にも配ってみた。



すると・・・
面白いほどよく
貰ってくれるではないか!!



先ほどまでシカトされまくりの私が、
突然の人気者に昇格。
 
 
むしろあちらから求めて
手を差し出してくれるほどだ。


・・・圧倒的に仕事が楽になった。


ひとまず女性ならいいかー!
勝手にハードルを下げた。
 

私を見て手を素早く引っ込めた彼は、
雇用主の意向をちゃんと
理解していたということだな。
 
 
デキのいい従業員なのである。


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つい最近、ガールズバーの
キャスト募集ティッシュを貰った。 


ちゃんと仕事しろよ!!と思いつつ、
モノはありがたく頂きましたよ。