『登山婚活に行ってきたわ・・・』

友人A子(アラフォー)がくたびれていた。

山に登りながら出会うとは、
どのようなシステムになるのか。

彼女が登山をするなんて、
聞いたことがないぞ・・・。

友人に誘われたので、
挑戦してみたとのこと。
内容をご紹介する~。



登ったのは高尾山。
手軽に上れる山として、有名どころだ。

山頂近くまでロープウェイが出ているので、
体力に自信がなくても大丈夫。

ところがこの登山婚活は、
地上から頂上を目指すコースである。

男性7名、女性9名が集結。
女性はキャンセル待ちとなる人気だったそうな。

普通に登ると、
地上から頂上まで約2時間。

男女一列に並び、
隣の人と会話をしながら歩みを進める。

1人につき、7分間である。

話すのは一度きり。
頂上に着いたら解散。

下山は各自で行うという、
一期一会コースだ。

カップリングなどはないので、
この7分間のみで
全てを判断せねばならない。

1人喋ると、
男性がスライドしていく仕組み。

お見合いパーティの回転ずしと同じである。

先頭に来た男性は山道を下り、
最後尾に回らねばならない。

体力のない者にはハードなコースである。
運動不足のA子は最初から息切れだ。

登るだけでも大変なところを、
男性全員との会話が加わる。
酸素が足りない。

ゼーハーしながら、1人7分の会話をこなす。
喋り続けながら登るのは、なかなかしんどい。

すると、エベレストに登るような装備の
アラフィフ男性が回ってきた。

明らかに使うところはないであろう、
本格的なライトにリュックが重そうだ。

『いや~これしか持ってなくてさ』

何も持ってなくても、大丈夫だ。
高尾山である。

装備品の話をしただけで、
彼の7分は終わった。

さらば山人よ、
また会う日まで・・・!

次に回ってきたのは、イケメン。
ところが彼、一言も喋らないのだ。

こちらが話せば、Yes、Noでは答える。
あちらからの発信は一切なし。

所々で山岳ガイドさんから、
『これは⚫️⚫️の木です~』と説明が入る。

もはや参加者の耳には届かない。
それよりも、この男を何とかしてくれ・・・!

すると、一切喋らない彼が口を開いた。

『へ~そうなんだ!おもしろいじゃん!』

急に距離を縮めてきた瞬間、
7分の鐘が鳴る。

最後に謎のタメ口だけを残し、
そそくさと去っていった。

悪い人がいたわけではないのだが、
体力も気力も目一杯に使い、
翌日は寝込んだという・・。

登山婚活だと、
地上戦の5倍は労力が必要だろう。

元々、酒場での出会いに強い社交的な彼女。

そのエネルギーがあれば、
パーティや合コンに何件か行けたはずだ。

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さらにその日、
フランステレビ局の密着取材が入ったようだ。

婚活の様子が、
フランスで放映されてしまう!

女性からはチラホラと苦情が出た。

『大丈夫です!フランスしか流れませんから♪』

強引に丸め込まれる。

よりによって、
汗だくの登山婚活が流れるとは・・・!

『私は、そういう星の元に生まれたのよ』

A子は振り返って語る。

彼女は普段、
ほとんど婚活はしていない。
たまにデカい行事をこなしてくる。

変わりダネは地上戦をこなした上で、
箸休めに投入したらいいのではないか・・・。

自然な出会いに見える
登山婚活ではあるが、
組織に仕組まれた行事である。

初心者はまず、
スタンダードからこなすが吉・・・。

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