あまりの恐怖に、足が震えた・・・。

 
友人A子から、
合コンの被害報告がやってきた。

 
翌日は疲労困憊で寝込んだという。
一体、何が起こったのだ・・・。
 
 
その日は、
5対5の合コンであったそうな。

 
開始一分にて
妙な人がいるのは気がついた。
 
 
まぁ5人もいたら
1人くらい変な輩もいるだろう。

 
その時はさして気にせずに過ごした。
 
 
・・・二次会は皆で男性幹事の自宅へ。
立派なタワーマンションであった。
 
 
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遅い時間に差しかかってきた。
A子は仲間の女性たちを置いて、
一足先に帰ることに。

 
そこで、道を塞ぐ者が現れた。
開始一分で『ウゲっ!』
認定した彼である。
 
 
『まだいいじゃない!』


泥酔した彼はA子のバッグを取り上げた。
 
 
もう電車がなくなるから、帰る!

 
言うも聞かず、
泥酔男はバッグを握りしめたままだ。

 
これはいかん、A子は咄嗟に一言。

 
『生理だから、ナプキンを取りたい!
トイレに行きたいから早く返して!』
 
 
このセリフにより、
男は仕方なく鞄を返却。

 
彼女はトイレに行くふりをして、
そっと家を脱出。

 
やっと帰れる・・・!
ほっとしたのも束の間。

 
バタバタと迫りくる音が
背後から聞こえる。


まさか・・・!!
恐る恐る振り返ると・・・。
 
 
先ほどの男が、
裸足のまま追いかけてくるではないか。
 
 
どれだけ焦っているのだ。
 
 
・・・捕まる!!
A子はヒヤリとしてエレベーターを見た。

 
なかなか来ない。
タワーマンションのデメリットだ。

 
ようやく扉が開いたので、急ぎ滑り込む。

 
『閉』ボタンを連打した刹那、
男は驚きの行動に。
 
 
なんと手足をフルに伸ばし、
扉を押さえこんだ。

 
 『俺、今日誕生日だから、まだ帰らないで!』

 
だから何!?
という謎のセリフを叫びながら・・・。 


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帰りたい!どいて!!何度も懇願。
彼、誕生日だから帰らないで!の一点張り。
 
 
扉を塞いだまま、仁王立ちである。
あまりの恐怖にA子は咄嗟に一言。
 
 
『じゃぁ、私の家までタクシーで送ってよ?』

 
このセリフに気を良くした彼。
靴を取りに行ってくる!
と、背を向けた瞬間・・・。

 
彼女は素早く『閉』ボタンを押した。
 
 
アッサリと罠にかかり、
背を向けた敵。


地上に着いた途端、
彼女はダッシュで逃げた。

 
A子はくたばっていたが、
彼女の機転のきいた行動に感心した。


バッグを奪還し、
エレベーターから撃退し・・・。
もはやハリウッド映画である。


よくぞ咄嗟に切り抜けられたねと褒めると、


『酔ってると、頭の回転が上がるよね、私・・・!』


飲酒によるリラックス効果が、
功を奏したようだ。
ピンチの時こそ、冷静なる判断を!