渋谷に19時。
手掛かりはこれだけだ。


当日になっても、
お店の連絡はない。


果たして本当に
開催されるのだろうか・・・。


友人A子は途方に暮れていた。

 
知り合ったばかりの女性から
合コンに誘われたとのこと。


ひとまず、
渋谷で待機することに。

 
選んだお店はサイゼリヤ。


週末の夜に女1人、
ファミレスでワインを飲んで待つ・・・。


もうこのまま、
連絡がなくてもいいかな・・・。

 
婚活疲れした彼女は
酒にてリラックスモードへ。


すると突然、
店員が震えながら近寄ってきた。


彼女にワインを差し出し、
驚きの一言。


『あちらのお客様からです・・・プッ(笑)』


こ、これは・・!!

 
ドラマでしか見たことがない、
『あちらのお客様からです』ではないか・・・。

 
店員、
堪えきれずに笑っとるがな。
真面目にやってくれ。


あちらの方向を見ると
どう見ても競馬帰りな
中年男性が二名。


競馬新聞に赤ペン
・・・間違いない!

 
彼女に向かって
手を振っているではないか。

 

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この話を聞かされた時は、
皆で爆笑した。


・・・いや、待てよ。

 
笑っているが、
お前は体験できるのか?

 
自問自答してみるも、
答えはNO。


あちらのお客様を体験したA子は
街を歩けば振り返られるほどの美人。


ちゃんとしたバーでも、
「あちらのお客様からです」
が体験できる女だ。


出会いのために
バーでも通ってみようかな!
という声はよく聞くが、
本当に行動する者は少ない。


普段から声がかかりにくいならば、
いきなりホテルに鎮座しても、
誰も近寄ってこない可能性が・・・。


ただ酒量が増える夜となってしまう。


まずはファミレスにて力をつけて、
徐々に本気の店(どこだ)にシフトする。


もはや何が目的か
忘れてしまいそうだ。

 
あちらのお客様からです
・・・粋な文化である。





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