『働くイケメン収入ランキング』


寝ようとすると、
大久保さんの番組が始まった。

 
どれ、
イケメンを拝んでから眠ろうとするか。


高収入1位はホスト。


『イケメンだから自信があるし、
生きていて楽しいっス!』


堂々と己のイケメンぶりを
讃える男が出てきた。


・・・しかし職場にもいそうな
通常のイケメンである。


喋りを聞く限り、
素人目に見ても人気がなさそうだ。


なんともしっくりこない1位である。
もっとゴリゴリの売れっ子を出してくれー!
 

2位以下、
オラオラ&謙虚なイケメンが
入り乱れての登場となった。


中でも自称・超肉食の
プロレスラーが気になった。

 
『イケメンは得ですね!』


やはり自画自賛である。


『女は草食が好きとか言いながら、
何だかんだで荒野で
盗賊にさらわれたいんでしょ?』


グイグイ勢いが止まらない。
しかし嫌いじゃないぞ、この強烈さ・・・!


『・・・これぐらいが、一番女が落ちるかもね』


中途半端なイケメンの彼を
『これぐらい』呼ばわりにて、
大久保さんが分析した。


この理論は言い得て妙である。


キムタクでは話もできないが、
これぐらい(とは言っても手に入らん)
が適度にトキめける。キャラは別として・・・。


結果、10人のイケメンが登場したが
『皆、若さがなくなったら危険』
と締めくくられて終わった。


イケメンは『今』限定の生物のようだ。


 


大昔、気に入っていた男性が
たいそうなイケメンであった。


恋心がすっかりなくなった頃に、再会。

 
なんと彼には、
全く魅力がなくなっていた。


いや正確には元々、
普通の人だったのであろう。


当時はイケメン割引にて、
性格も最高に良く見えていたようだ。


対等な気分で話してみると、
ただの『人』であった。


恐るべしイケメンフィルター。

 
ただの人を殿上人に
格上げする効果がある。


周りの女たちに聞いてみると、
誰もがイケメンマジックに
かかった経験を持っていた。


『大雨の中の中、
タクシーに乗って会いに行ったわ。
普通の男ならドタキャンするのに!
顔が見たいから!』
 

『イケメンと過ごすと、
時間が過ぎるのが早いの!
気付いたらホテルのバーだったわ!
意志すらなくなるわ!』



天候&時空の概念をも操る、驚異の存在。


正当な評価より、
8割り増しでのポイントがつく。



外見ばかり評価されるなんて
イケメンも大変だが、
それ以上の恩恵があるのでヨシ。

 
 
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