まだ日本が平和だった頃・・・。


友人募集雑誌やポケベル等(古い・・)で
知らない人と会うことに
抵抗がなかった私。


ある男性とメールのやり取りが始まった。
彼はやたらと男口調を好む人物であった。


こんな感じだったと記憶している。


『俺に任せろよ』
『会うの楽しみにしているぜ』
『あばよ』


もちろん彼の顔など知らないので 、
メールの文面から人となりを想像した。


失われつつある、
強い日本男児なのだと推定。


実際の彼の風貌は
なんとも言えないロックな感じであった・・・。


黒ずくめでひょろっとしており
どこかダルそうな雰囲気で、
不健康に見えた。

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・・・随分とイメージが違うな。


彼は私の目を一切見ることなく
終始オドオドと俯いていたのだ。


話しかけても
落ち着かない様子でビクビク。


声も蚊の鳴くような音量で
何を言っているのかさっぱりだ。


私は耳が遠いので全く聞こえない。


強気なメールと
とても同一人物とは思えない。


まるで会話にもならなかった。


・・・影武者が来てしまったのか。



彼は結局、
最後まで挙動不審であった。


・・・もはや、ここまでだ。
そう思い、早々に解散した。


わずか1時間くらいの間だったが、
心身が疲労してしまった。


人生で無駄な時間シリーズ、
確実にランクインである。


解散してすぐに
先ほどのオドオド君からメールがきた。


『お前に会えて、楽しかったぜ』
『また近々、会おうぜ』
『俺のこと、忘れるなよ』


・・・お前は誰だー!  
随分と威勢がいいではないか。
本当に先ほどの彼なのか。


メールを打つときだけは
強気になる薬でも打ったのだろうか。


声は聞こえなかったが、
文字は生き生きとしている・・・。


もうロクなことはないな・・・と思い、
これ以来、1対1で見知らぬ
人物と会うのは控えることにした。


ネットはハズレの海なので、
とにかく数を打ちましょう。
と、何かの本で読んだことがある。


メールを長期間やり取りしていても
実際に会ったら、
予想外の人物のこともある。


さっさと対面に進んだ方が
時間の短縮でよい。


関係を育てるのは、
会ってからでもできる・・・!