『デート中に女が乗り込んできたわ~!』


婚活中のA子が呆れていた。
一体、何が起こったのか・・・。


広告代理店の男性に食事に誘われたそうな。
そこそこ話も盛り上がり、楽しく終了。


 


店を出ようとすると、
入り口に仁王立ちの女性が見えた。


怒りの形相にて立ちはだかっており、
嫌な予感がする・・・。


『話があるんだけど!?』
女が迫ってきた。
 

男性がアタフタ慌て出した。
どうやら知り合いのようだ。


こりゃただ事ではない・・・と察し、
『私はトイレに行ってくるので、2人で話して!』
席を外したそうな。


・・・5分後、
彼から電話があった。

 
待たせて申し訳ない、
戻ってきてくれ・・・と。


『ごめんごめん!もう終わったからさ!』
彼は1人で立っていた。


すぐ後ろから怒号が飛んできた。

 
『はぁっ!?まだ話は終わってないでしょ!?』


声の方向を見ると、
先ほどの女性が向かってくるではないか。


般若のような表情から察するに、
何も解決はしていない模様。


『私は帰るので、2人でゆっくり話して!
初めてご飯に行っただけで、全然関係ないので!』

 
そそくさと去ることにした。


女性はA子に向かって、
申し訳なさそうにお辞儀をした。


その表情を見て、ピンときた。

 
・・・この子、マトモだ!


何を根拠にかわからないのだが、
野生の勘が働いたそうな。


後日・・・。


彼から埋め合わせをしたいと
しつこく連絡が入った。


話を聞いていると、どうも胡散臭い。


彼女とは何度か食事をしただけで
勘違いをしているだけと言い張る。


聞いてもいないのに、
女絡みのトラブルを武勇伝のように
ベラベラと話してくるではないか。


会話の最中、
違和感しか感じなかった。

 
確信した。


悪いのは、こいつだな・・・と。


 

 
彼が勤めるという会社に
A子の知人がいたようで、
社内システムで調べてもらった。


・・・すると、
男の名前は出てこなかった。
勤務先がデタラメであったのだ。


違和感の正体はこういうことか。
彼の全てが嘘で固められていた可能性がある。


『40年も生きていると、勘も磨かれてきたわ・・・』

 
これに懲りずに次に進むと、
彼女はぼやいた。


危ない女の話かと思いきや、逆であった。


パッと見は事件に見えても、真実は他にある。
目の前の情報だけに、
踊らされないようにしたいものだ・・・。

 

 





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