海や雪山では
格好よく見えたあの人が、
地上ではこんな
ヘッポコだったのか!?
 
 
特定の条件下で輝く、
男女の謎に迫る・・・。
 
 
私がうら若き乙女だった頃・・・。
ダイビングの免許を取ることになった。
 
 
インストラクターとして現れたのは、
だらしなく肥満した、
頭の薄い中年男性。

 
現実はこんなものよ・・・。
 
 
と・こ・ろ・が・だ。
ここでマジックが起こる。
 
 
呼吸すら自由にできない、
完全アウェイの海の中。
 
 
彼は華麗に泳ぎ、
自由に動きまわる。

 
長髪の薄毛だったので
海草のようにユラユラと揺れていた。
 
 
その姿、地上では
妖怪以外の何者でもないが
頼りがいのある姿に見えた。
 
 
私の命は妖怪が守ってくれる!
その安心感が彼を王子に見せた。
 
 
水中から頭を出した瞬間など、
毛は全てのボリュームを失くし、
頭皮にまとわりついた。
 
 
地上で見たら
『ぎゃっ!』と悲鳴が出る案件が
『キャっ!』に変換された。
 
 
同じ人間がシチュエーションによって
ここまで印象が違うなんて・・・驚きだ。
 
 

 

これと似た案件なのだが、
我が家にゴキブリが
出たときのことだ・・・。

 
私の心臓は急停止した。
 
 
ここで俄然力を発揮したのは
害虫駆除の男性である。
 
 
彼もまたひどく肥満しており、
お世辞にも美男子とは言えない風貌。
 
 
彼は事故現場(我が家)を
手際よく作業。

 
見たこともない道具を使いこなし、
ミクロ単位でゴキ罠を
仕掛ける姿・まさに王子!!
 
 
これで私の命は救われた・・・。
完全に骨抜きになった頃である。
 
 
『ゴキブリが嫌う成分を、
ドアと窓にも吹きかけておきました。
これで外からの侵入も
防げるでしょう!』
 
 
王子に終わりはないのか、
後光が見える。

 
彼がいなくなっても、
守ってくれるなんて。
王子と食事したい!!
 
 
このように命の危機が迫ると
普段の好みとは
全く違うタイプにときめく。

 
顔が気に入らない、
収入が気に入らない、
身長が気に入らない・・・
全て、平和な証。
 
 
生命の安全が
保たれた街で婚活するのだ。
守るのは己の生活だけでいい。
 
 
そりゃ女たちの好みも
天井知らずになる。

 
理想が高いと言われたら、
平和な世に感謝だ。
 
  

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