外資系企業で働くA子(アラフォー)が
新人研修を行ったそうな。

『つ・・疲れたわー!!
最近の若い子は、意識高い系が多いのよ!!』

ずらりと集められた新人たち。
その目はギラギラと輝いていた。

自己紹介から始まる・・。

留学経験を生かして
世界を視野に入れて活動したい者、

輝くばかりの経歴を披露した後、
地球規模で商売をしたいと宣言する者・・。

おうおう、すごいな・・!と、
背筋が伸びるような話が続いた。

誰もが自身の凄さを
アピールするのに余念がない。
スケールがでかすぎるのだ。

これぐらい前面に出てこないと、
面接には受からないのだろうな・・。

A子は圧倒的なオーラに気圧された。

最後に自己紹介したのがB男だ。

1人だけのほほんとした風貌の、
経理に配属された男である。

『皆さんの後に話すのは申し訳ないくらい、
僕には何もないのですが・・』

にこやかに続ける。

『お菓子作りだけは誰にも負けません!
疲れた時には差し入れしますからね♪』

緊迫した雰囲気が一気に和んだ。

後から知ったことであるが、
B男の経歴は誰よりも立派であった・・。

俺俺!!な空気が続いたので、
あえてお菓子作りを話題に選んだのであろう。

『あいつ・・どこでもやっていける男だな・・!』

彼の空気を読む力、頭の良さは
一気に社内の評判となる。
94


A子は振り返っていう。

『アピールがすごかった子たち、
誰も記憶に残ってないの・・!』

輝かしい自己紹介をした男たちを抑え、
印象に残ったのは癒し系・B男のみ。

『でも、すごいドヤ顔の子がいたのよね〜!
その表情だけは覚えているわ!』

記憶に刻まれたのがドヤ顔のみとは・・!
彼の話した内容はいずこへ。

頑張って前に出るも
勝負にすらならないなんて、
婚活みたいじゃないか・・。

厚化粧に勝負服で武装し、
アピールしてもアピールしても、
人気をかっさらうのは控えめな癒し系。

『何であの子が!?』

と思われたが、
ちゃんとした理由があった・・。

その場で印象に残るには
どのような振る舞いをしたらよいのか?
を無意識に演じ分けている。

誰よりも空気を読むことがでる、
天賦の才をお持ちなのだ。



無題