『名前なんだっけ~?あの綺麗なオバサン!』

女子高生が電車で話している。
芸能人の名前を思い出せないようだ。

『あ、思い出した。中谷美紀だ!』

これを聞いたA子は愕然とした。

中谷美紀(当時30歳)さんが綺麗なオバサン。
では、綺麗でもない自分は・・ただのオバサン!!

吊皮を持つ手が、ガクガク震えたという。

私も、似たような思いをしたことがある。

バーゲン会場にて、
ワゴンの中を漁っていた。
とても素敵なワンピースを発見。

すぐに掴むと、
同時に端を掴んだ者がいた。

これが異性なら、
手が重なる自然な出会いである。

相手の顔を見ると、女子高生だった。

彼女は私を一瞥し、仰天しながら一言。

『うわ!こんなオバサンと同じの選んじゃった!』

彼女は慌ててワンピースから手を離し、
友人の元へ逃げていったのだ・・。

『どうしよう、私のセンス・・ヤバいよ!』

友人に報告をしているのが聞こえる。

あぁ・・若いな。
彼女からしたら、私などオバサン・・。
さぞかし、ショックであっただろうに。

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・・そこで、目が覚めた。
全てが夢だった。やけにリアルである。

中谷美紀さんですらオバサンと言われ、
愕然としたA子・30歳・・。

私もこの夢を見た時が30歳であった。

自分でも驚いたのは、
ガクガク震える気持ちがなかった。
女子高生にも、腹が立たなかった。

大人になる準備ができたのだな・・
と、前向きに考えたが
夢でよかったと心底ホッとした。

現実の世界の出来事であったら、
やはり震える・・!

今となっては30どころか40だが、
ここまで来ると開き直る。

若さは失う寸前が一番怖い・・。