『ねぇ、年収って聞かれたことある・・・?』


友人が言いだした。
どうやら、合コンで憔悴したようだ。


聞くところによると、
前情報ではアパレル系男子が
来るとの話であった。


お洒落な男性陣なのだろうと
予測して胸を弾ませる。


ところがやってきたのは
長州小力さん(以下:コリキ)のような面々。


何かがおかしい・・・!
野生の勘が働いた。


予感は当たり、
彼らはアパレルではなかった。


それどころか、
職業も頑なに言おうとしないのだ。


そこまでお前の情報に興味はない、
無駄に勿体ぶるのもよしてくれ。


偽情報で登場した自分たちは棚に上げ、
女性陣の年収をしきりに尋ねてくるのだ。


『君たち、年収はいくらなの~?』



コリキよ・・・何を言い出すのだ。


『普通のOLですから、
そんなに多くないですよ』


ぼかしてみるも、
彼は執拗に支給額を尋ねてくる。


女性陣が口を閉ざしたので、
彼は別の作戦に出た。


『じゃ、俺が年収いくらだったら、結婚してもいい?』



なるほど
年収を聞かれたいのは彼のようだ。


『俺、こんなに稼いでまっせ!』
トークに持ち込むための前座であった。


コリキが望む質問が出てこないので、
自ら遠回しに導いてきたのだ。


興味のない男からの
しつこい質問に女性は辟易。


『う~ん、生活できれば、いいんじゃないですか?』


力なく答えてみるも、
コリキは納得しない。


『生活できるって、どれくらいの金額?いくら?』


コリキの連続攻撃!
もう、逃げられない。


『月に25万もあれば生きていけるんじゃ・・・』


女性陣の適当なコメントに、
『俺、全然大丈夫だぜ!』と満足げな彼。


そこで事切れたのか、
泥酔して床に倒れ込んだ。


彼の年収は謎のまま・・・。


年収トークの間に、
『俺、酒が強いんだぜ・・・!』と
ちょいちょい挟みこんできたのは誰だ。


コリキが道を塞いで寝てしまったので、
女性陣が飛び越えて帰ったそうな。


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街で見かけた風景なのだが、
オジサンが店員に向かって怒鳴っていた。


『俺の個人情報はどうなるんだ!!』
誰もあんたの情報は欲していないと
言いたい者に限って
異常に気にしている不思議。


婚活界でもどうでもいい者に限って、
素性を頑なに言おうとしなかったりする。


会話の潤滑油に過ぎないわけで、
悪さをしようとしているのではない。


情報の開示は
バランス良く行いたいものだ。